精神医学においても「根拠に基づいた医療」が求められている。これはある介入と、そのアウトカム(結果)の因果関係を求め、介入の有効性を評価するというものである。他の医学領域では、評価するアウトカムとして、数値で表すことのできる生体データを用いることが多い。しかし、精神科領域ではこのような客観的なデータが得られにくいため、重症度を評価する評価尺度の点数や、自殺の有無、入院期間などをアウトカムとして用いている。
世界で有数の精神病院数と入院患者がいる日本(『狂気と犯罪―なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか』芹沢一也 講談社α新書 ISBN 4-06-272298-4による)においては、以前に比べて保険点数上のメリットが減少したこともあり、かつて横行していた「社会からの隔離」目的のあらたな入院は少し減少した。
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しかしまだまだ実際に罹患している患者の症状が快方に向かっても、家族や社会が受け入れず入院が長期化してしまうこともある。
大規模疫学調査による重症患者の未治療率の算出などからもわかるように、患者に対する偏見は根強く、精神病患者=頭がおかしい危険人物という誤解も見られる。例えば未だに「精神病院に行ったほうがいい」などという言葉が相手を侮辱する意図で使われているし、退院できる患者の家族から「一生入れたままにして、戻してくれるな」と言われることもある。