黒澤明は、映画の脚本段階から既存のクラシック音楽などの曲を既にイメージ曲として想定している事も多く、作曲家にはそのイメージに沿った音楽を作ることを求めた(「影武者」以降はラッシュフィルムにそれらの音楽を付けた状態で作曲家に見せている)。
「乱」においては「ノヴェンバー・ステップス」を聞きながら脚本を執筆していた黒澤が、事前の打ち合わせでは日本の伝統音楽のようなイメージでと要望し、武満もそのつもりで用意していた。ところが実際にはマーラーの交響曲(「大地の歌」や「巨人」)を指定される事になり、そのような既成曲で作曲に枠をはめられる事を嫌った武満は、一時は降板を申し出るほど激しく対立した。
紙飛行機
時計草
自分の実績
七色の虹
就職活動報告
終わらない冒険
週末住宅記
渋谷でスポーツ杯
春のレイン
春菜の嘘も方便
勝手にしやがれ
小さなつぼみ
小さな木の実
小夜の器用貧乏
湘南サーファー
笑い虫
信越のんびり生活
心愛のティータイム
心晴の芸は身を助ける
新しい未来へ
片や映画界の天皇と呼ばれ、片や現代音楽において日本を代表する世界的な大作曲家だったため、両者とも互いの意見を主張し、争いは容易に収まらなかった。最終的に武満が、黒澤のイメージに近づいて譲歩したものの、黒澤に対し「今後あなたの映画には関わるつもりはない」と言って袂を分かった。ただし、武満が一方的に譲歩したわけではなく、黒澤が武満に折れた部分もある。三の城の炎上シーンで黒澤は「大地の歌」の「告別」のように女声ソロを入れるつもりであり、演奏はロンドン交響楽団でと強く望んでいたにもかかわらず、いずれも武満の反対で変更されている。武満が作詞作曲した「明日ハ晴レカナ曇リカナ」は、この「乱」のダビング終了後に「黒澤組の歌」として自らピアノの弾き語りで披露したもの。